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教室の前に置かれた大型モニターを
食い入るように見つめる学生たち。
画面に映し出されているのは、外国人の二人の若者。
どこかたどたどしい英語で、なにかのプレゼンテーションをしている。
どうやら、インテリア空間のプレゼンらしい。
よく聞くと、なぜか、「HAIKU」という言葉がさかんに語られる。
じつは、画面の向こうは、イタリアのミラノ。
ミラノ工科大学と大同大学の学生たちが、共同で空間をデザインしようという試みなのだ。

大同大学では、2007年にイタリアのミラノ工科大学と学術交流協定を締結。以来、研究者の人的交流をはじめ、さまざま交流をつづけている。
最近では、それが学びの場にも活かされ、同大学との共同した教育プログラムが、さまざまに展開されている。
これまでも、工学部建築学科が「Cスケープ」という共通の連携プロジェクトを進めてきたが、
2014~2015年には、情報学部情報デザイン学科プロダクトデザイン専攻の学生たちが、
同大学デザイン学科の学生たちと連携したワークショップに挑戦した。
その一部始終を時系列に沿って紹介しよう。

まず先に動いたのはミラノの学生たち。5日間の集中創作で、「FOOD SPACE DESIGN:食の環境(インテリアデザイン空間)」を提案するワークショップを実施した。
そこでテーマとしたのは日本の「俳句(HAIKU)」。俳句をデザインに導入することによって、独自のデザインコンセプトを生み出すことができると考えたのだ。
具体的には、日本の有名な俳句20句から好きな俳句を選び、15種類の俳句別にグループを構成。その俳句からイメージする情景をブレーンストーミングによって抽出し、食のための空間設定、要素を決定。その設定に応じたアイデア展開、スケッチ、モデル検討を実施。最終提案としてレストラン、バー、カフェ、売店などのデザイン案を作成、プレゼンテーションを実施した。
それらの提案を、さまざまな違った分野から構成された教員のメンバーによって評価。最終的に4作品が残った。

4作品に選定されたミラノ工科大のグループがスカイプで、本学プロダクトデザイン専攻の学生に英語でプレゼンテーション。冒頭で紹介したのがその様子だ。もちろん、大同大学の学生たちも英語で質問。
お互い母国語ではない言語での質疑応答は苦労したが、それが国際ビジネスの標準。インターナショナルなコミュニケーション能力を培うことにもなる。

年が明け、ミラノ工科大学からのインテリアデザイン提案に対して、今度は大同大学の学生がそこで使用するプロダクトのデザイン提案を行うワークショップが行われた。ミラノ工科大学からの4つの提案を受け、プロダクトデザイン専攻の3年生7人、2年生9人、1年生5人の計21人が4チームに分かれ、学年混成チームを編成し課題に取り組む。 ミラノから提案された「俳句をイメージしたフードスペース」のコンセプトを振り返り、さらにそれをつめ、細部の立案、デザイン発想、詳細デザインを行い、そのスペースに合う、テーブルや椅子、食器を考えていく。毎日夕刻には、人的交流でミラノ工科大学に赴任している井藤隆志教授(プロダクトデザイン専攻)とスカイプでやりとりしながら報告会・ディスカッションを行い、デザイン提案を磨いていった。 そして、最終日にはプレゼンテーション。学生たちは、ミラノの学生たちが提案したレストランに設置するテーブルや食器を、これまでになかった視点から発想・具現化し、自分たちの作品をアピールした。

こうして完成された4つの提案は、ミラノ工科大学内の学内展示スペースに、デザイン画や立体模型として展示された。
これは、4月にミラノで開催されたミラノ国際家具ショーと5月にミラノで開催されたEXPO 2015に向けたもの。大同大学とミラノ工科大学、2つの大学の連携によってできあがった斬新なデザインが、世界から訪れる人々の目にも触れているのだ。
また、これら作品は、近いうちに大同大学学内でも展示されることになる。

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