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PICK UP LAB 14“見せ方を少し変えるだけで伝わり方が大きく変わる!言葉の壁も超える、インフォメーションデザインとは? / 情報学部 情報デザイン学科 桐山研究室 PICK UP LAB 14“見せ方を少し変えるだけで伝わり方が大きく変わる!言葉の壁も超える、インフォメーションデザインとは? / 情報学部 情報デザイン学科 桐山研究室

たとえば、外国のお土産でもらった
インスタントラーメンのパッケージ。
何が書いてあるかはわからないけど、
どれくらいのお湯で
何分茹でればいいのかだけでなく、
どんな味かまでわかった。
こんな経験、あなたにもありませんか?
また、旅行先で案内所を探すときには、
無意識のうちに「?」マークの看板を
探していませんか。
パッと見るだけで、何をどうすればよいのかが
なんとなく分かり、目的に正しくたどり着く。
この“なんとなく”のカギを握るのが、
インフォメーションデザインと呼ばれる
「伝える」ためのデザインです。

「営業・休業...」or「営業を〇・休業を-...」どちらがわかりやすい?

言葉の限界を、ひとつのピクトグラムで超えられる!

インフォメーションデザインとは、「物事をわかりやすく伝える」ことに主眼を置いたデザインのこと。1990年代ごろから急速に発展してきた、まだまだ新しいデザイン分野です。インフォメーションデザインのなかでもわかりやすいのが、ピクトグラム。人物や場所の特徴をシンプルな記号で表現したもので、私たちの身近でいうとトイレや非常口のサインに使われている、あのイラストと記号が合わさったようなマークのことです。インフォメーションデザインによるコミュニケーションの速さとわかりやすさは、言葉以上と言っても過言ではありません。たとえば風邪薬のパッケージに、妊婦さんのピクトグラムの上に大きく赤い×がついていると、「これは妊娠している人は飲んではいけない」という情報が、外国人旅行者などの日本語が読めない人にでも、直感的にわかります。どれだけ文字や言葉で説明してあっても、その言語を知らない人には伝わらない。この言葉の壁を超える力が、ピクトグラムをはじめとしたインフォメーションデザインにはあります。

「誰に、何を伝えたいのかを意識することが大切」と語る桐山先生。

インフォメーションデザインは、センスや美的感覚に左右されない。

ところで、デザインを学ぶには美的感性やセンスが必要ではないか、と思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、インフォメーションデザインには、実はセンスの有無はそれほど重要ではありません。なぜなら「情報+デザイン=伝わりやすくなる」という、足し算・引き算のような理論で語れるデザインでもあるからです。「この種類の情報を伝えるときは、こうすれば伝わりやすい」という理論に従ってデザインすれば、経験や勘といったものに頼ることなく、誰もが伝わりやすいデザインを作ることができる。それがインフォメーションデザインの大きな特徴でもあります。現在まだ言葉や文字頼りの分野にインフォメーションデザインが浸透すれば、さまざまなシーンで物事が直感的かつ正確に理解できるようになるでしょう。そうすれば、「買いたい商品があるけど、ショッピングサイトの構造が複雑で見つけられなかった」というような、今まで逃していた販売機会を獲得して、売上アップにもつながるかもしれません。しかし、インフォメーションデザインにおいては理論の他にもうひとつ、とても大切なことがあります。

学生が考案した資格対策講座のパンフレット。選ばれたのはどちら?

作品ではなく、製品を作る。誰かのためのデザインであること。

「伝えたい情報を、伝えたい相手に、いかにわかりやすく伝えるか」を研究しているのが、大同大学情報学部情報デザイン学科で、インフォメーションデザインを研究する桐山先生です。メインの研究テーマはPowerPointなどを使って作るプレゼンテーションスライドのデザインですが、現在はグラフィックデザインの力を情報発信に取り組んでいこうと、情報デザイン学科の学生たちに声をかけ、大同大学が発行しているパンフレットなどの制作に携わってもらっています。学生たちは大学、つまりクライアントにどんな冊子をいつまでに作りたいかをヒアリング。その後デザイン案をまとめ、プレゼンテーションします。学生たちが一番良いと思っていた案が、不採用になることも。厳しい現実を突きつけられるこの体験こそが、学生にとって大きな気づきになるのです。「自分が作りたいものを作る“作品”ではなく、相手が求める“製品”を作るという意識で臨むことが大切です」と桐山先生。情報を届けたいターゲットファーストで考えること。これこそが、インフォメーションデザイン成功のカギなのです。

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