• TOP
  • NEWS
  • 先生の活躍
  • 機械工学実験において実験モード解析による機械振動実験を新しくスタート

NEWS

2018.06.25 先生の活躍/学生の活躍/機械システム工学科

機械工学実験において実験モード解析による機械振動実験を新しくスタート

左から:富岡昌誠非常勤講師、糟谷竜二さん、 加古奈緒子さん、加藤寛之さん

左から:富岡昌誠非常勤講師、糟谷竜二さん、 加古奈緒子さん、加藤寛之さん

 2018年度より機械システム工学科の機械工学実験において、実験モード解析による機械振動実験を新しくスタートさせました。以下、担当の篠原主勲准教授からのレポートです。
 洗濯機(乾燥機)、冷蔵庫、空調機(扇風機)、掃除機などの家電製品などが動作するためには、動力源を必要とします。動力源にはモータを必要とし、このモータが家電製品の機械的な振動や騒音を引き起こします。一方で、家電製品などの構造物の低コスト化による重量低減の影響で、構造物の剛性は低下し、構造物は振動に弱くなる傾向にあります。そのため民間企業では、振動対策として、実験モード解析より家電製品などの振動を分析することが一般的になりました。
 実験モード解析は広く民間企業に受け入れられているにも関わらず、実験モード解析の実験装置は、大変高価であるため、大学教育としての導入は大変困難でありましたが、工学実験新規テーマを導入するにあたり、F-MAC/丸文株式会社 竹井俊樹氏が日本市場に紹介した実験モード解析ソフト『ModalVIEW』を、格安で提供頂くことができました。また平成29年度投資計画を通し、本学に高額予算を拠出頂きました。以上のことから、大学教育としての実験モード解析を実現させることができました。
 実験モード解析の装置の構成は、アンプ内蔵型加速度センサ、 モーダルハンマー、 CompactDAQシャーシ、 音響/振動入力モジュール、 ModalVIEW解析ソフトウェアからなります。振動実験内容は ①理論計算式による手計算②Solid Works (CAE) を使った有限要素法による解析③機械振動装置 を用いた実験モード解析からなります。3つの異なるアプローチより、 試験体の固有振動数および固有モードの結果比較を通し、 振動に対する理解を深めることがこの実験の目的です。
 実験作業は、5人~6人程度のグループの作業であり、学生が装置をセットするところから興味深く取り組んでいます。治具等による試験体設置、加速度センサの取り付けや、解析環境の設定、ハンマリングなどの様々な作業を必要とします。これらの作業を効率よく実施するためには、分担作業による協調性やコミュニケーション力も必要となります。加振時にハンマーで試験体を打撃しますが、この打撃時にダブルハンマリング(2度たたき)が生じるため、学生は加振方法を一生懸命工夫しながら実験します。本振動実験の経験が予備知識となり社会に出たときにその知識を存分に企業等で有効活用してくれるでしょう。
 最後に機械工学実験を快く引き受けてくださいました富岡昌誠先生、大橋勤先生、また実験をアシストしてくれた大学院 工学研究科 修士課程の古橋海威斗さん 松井洋樹さん 関係者の方々に深甚なる謝意を表します。

この記事をシェアする

ページの先頭へ

MENU